友人に観て感想を教えてほしいと言われて、インド映画の『きっと、うまくいく』を観ました。実は私にとってはじめてのインド映画。
インド映画への勝手なイメージは派手な色使いととにかく歌い踊る、だったんだけど、『きっと、うまくいく』はそんなに歌と踊りが多いとは感じなかったかも。
ただ3時間は長い……。これもインド映画の特徴なのかな? 途中で休憩ポイントあるのって昔の映画みたいですね。
あらすじ
日の出の勢いで躍進するインドの未来を担うエリート軍団を輩出する、超難関理系大学ICE。エンジニアを目指す天才が競い合うキャンパスで、型破りな自由人のランチョー、機械より動物好きなファルハーン、なんでも神頼みの苦学生ラジューの“三バカトリオ”が、鬼学長を激怒させ、珍騒動を巻き起こす。 抱腹絶倒の学園コメディに見せつつ、行方不明のランチョーを探すミステリー仕立ての“10年後”が同時進行。根底に流れるのは学歴競争。加熱するインドの教育問題に一石を投じ、真に“今を生きる”ことを問いかける万国普遍のテーマ。
いろんなテーマが盛りだくさん
基本は3バカ男子による学園コメディでした。とりあえずズボンを脱ぐタイプの小学生男子的な笑いが多めなので、単純に笑える感じがいい。
学歴や職業が重んじられる社会
インドのことは詳しくないのだけれど、産まれてすぐに父親に「将来はこの仕事に就けよう」と人生を決められてしまうことは普通なのでしょうか。それに伴って、学歴社会でもあるようで。出身大学、優秀な成績、高給な職業、それに漏れれば貧困な暮らしに負け犬の刻印。それが根強いんだろうなぁ。インドは未だにカースト差別があるというのもに繋がるのかなぁ。実際は知らないけれど……。
そのために起こる、学長のアカハラ。アカデミックハラスメント。この学長がいい感じに悪役やってて良い味出してました。3バカがルールもマナーも無視して学長に盾突いていったり、屈したりするのは応援したくなる。
いきなりでてくるミステリー
学歴問題のせいで突然でてくるミステリー。ストーリーは卒業後に行方不明だった3バカのひとりであるランチョーを探しに行って、やっと見つけたら別人で…。 本物のランチョーはどこに? を軸としつつ学生時代を振り返るようなものなんだけれど。ランチョーの真実や、正体を最後のキレイに回収するのがすごい良かったです。
コメディ観てたのに、突然軽いミステリーになるのびっくり(笑)
家族愛もふんだんに盛り込まれている
ファルハーンや学長のあたりは、めちゃくちゃ家族愛をテーマとしていますね。学長なんて孫の出産で目が覚めちゃうやつ。ランチョーのおかげで。
家族愛という部分については、めちゃくちゃわかりやすいハッピーエンドなんだけど、子どもに苦労して欲しくない気持ちと、自分の息子を自慢したい気持ちとで、教育パパは子どもの気持ちは二の次になってしまうのはどこの国でもあるあるなんでしょうね。
何よりも友情がイイ!
男子学校の全寮制、3バカ。となると、もうね、友情が深いんですよ!!
バカなことして青春過ごした友情ってやっぱりいいですよねー。ランチョーの告白を後押ししたり。ラジューが意識不明になっているときの励まし方とか。友達のために盗み働いてみたり。とにかく友情に全力。卒業してからランチョーは行方不明になったけど、連絡をとっていなくてもずっと2人のことを気にかけてたり。いいですねぇ。王道で。
伏線回収が気持ちいい
3時間と長いので途切れ途切れで見ていたけれけど、最後の40分くらいで気持ちがいいくらい伏線拾っていきます。最後の最後までしっかり回収。最高!
ほんとスッキリして笑って終わるのが好き。いろいろと社会的テーマが盛り込まれてはいるけど、最終的に「あー、面白かった」って言って終われるのがいい。王道でもなんでもいいのよ、見終わった後にモヤモヤするの好きじゃないのです。
考えるのは後からでいい。見終わった瞬間に、もしくはエンドロール中に「面白かったなー」って思える映画って最高。映画はエンタメであって欲しいから。そして面白かった映画を見ると元気になれる。幸せな元気が湧いてくる。良いこと。
「きっと、うまくいく」つい呟いちゃう
作品の中でランチョーが「All Izz Well(アール・イーズ・ヴェール)」=「うまーくいーく」とおまじないを唱えます。ストーリーの中でも重要な言葉。
いまでは私も「アァァーールイーズヴェーーーール」ってつい呟いてしまうんですよね。人生どうにかなるよね、うまくいくうまくいく。そんな気にさせてくれる言葉。なんか悩むこととか緊張することとかあったら、貴方も一緒に、
「アァァーールイーズヴェーーーール」
(2021年1月6日加筆修正)