月の下で本を読む

気の向くままに、読書記録。

『雪の断章』佐々木丸美 孤児シリーズ(1)

 

 あらすじ

迷子になった五歳の孤児・飛鳥は親切な青年に救われる。二年後、引き取られた家での虐めに耐えかね逃げ出した飛鳥に手を伸べ、手元に引き取ったのも、かの青年・滝杷祐也だった。飛鳥の頑なな心は、祐也や周囲の人々との交流を経て徐々に変化してゆくが…。ある毒殺事件を巡り交錯する人々の思いと、孤独な少女と青年の心の葛藤を、雪の結晶の如き繊細な筆致で描く著者の代表作。(「BOOK」データベースより)

出版社:東京創元社 発売日:2008/12/21 文庫:429ページ
ISBN-10:4488467040 ISBN-13:978-4488467043

 感想

佐々木丸美のデビュー作。初版は1983年12月に講談社から出ている。東京創元社から出ているものは亡くなった後に復刊されたもの。

主人(家主)を立てるみたいなところは昭和の時代背景だなぁと思いつつも、主人公の心情の表現に引き込まれる文。綺麗で、引き込まれてしまう。

主人公が他人を信用しきれず自分で物事を判断していってしまうのは、青春にありがちな部分でもあり孤児やいじめという主人公を形成した背景も大きいのだろう。メルヘンな空想を大切にしているあたりも、どこかしら自分の青春時代の気持ちを重ねてしまう。

普段あまりミステリーは読まないので、犯人や犯人の行く末などは「わお」と思うところもあり。最終的に主人公が幸せならばいいのだが、そんな気がなかったかもしれなくても自分好みに育てて愛すみたいな側面も、良い意味で気持ち悪さが良かった。

メモ

kindle Unlimitedで読了